『Wind of Hippalos』 トップ > くわしい話を聞く ■

『サバッシュ2』に興味のある方、これからプレイする方はこちら!
ゲームの大まかな流れや、システムの特徴などを詳しくご紹介します!
(「サバッシュ2ってナニ?」という方は、先に【ためになるお話】ページをご覧ください。)

■ おしながき ■
1:主人公と難易度を選ぼう
2:ミニゲームでキャラメイク
3:パルの人々と話そう
4:仲間と霊船を集めよう
5:スタミナなくして勝利なし
6:敵国を解放せよ!
7:交易で一攫千金
8:世界中の謎を解こう!
9:奥深いストーリーを味わおう



■ #1 主人公と難易度を選ぼう ■
 『サバッシュ2』の世界へようこそ!
 物語は、主人公の種類とゲームの難易度を決める「降誕の儀式」から始まります。『サバッシュ2』には、「3人の主人公」×「3種類の難易度」があり、この組み合わせで合計9通りの遊び方ができるのです。

【主人公選択】
 主人公は赤子の状態でパルチャップに生まれ、必ず「マジョーン」と名付けられます。
 生家となる家は3つあり、その境遇に応じてストーリーや登場人物が変化します。エンディングは共通ですが、特定のマジョーンでなければ発生しないイベントも多く、一味違った冒険が楽しめます。
 どの家に生まれるかは、降誕の儀式の《三つの呪いの門》で、通過した門の色によって決まります。

 ●赤呪の門:マジョーン・トロフ(通称“商人マジョーン”)
  生神メヒテの支配を免れている唯一の町《ボージェント》の商家、「トロフ家」の長男として生まれます。
  いわれなき差別を受ける一族の血を引き、迫害に苦しみながらも優しく生きようとする主人公です。

 ●黒呪の門:マジョーン・ラムセス(通称“漁師マジョーン”)
  漁村《ラージャ村》の漁師、「ラムセス家」の長男として生まれます。
  非常に貧しい境遇で育つものの、人間の誇りと家族の絆を心の支えに、真っすぐに生きる主人公です。

 ●紫呪の門:マジョーン・ハイヤーム(通称“王子マジョーン”)
  ファルガナ地方の没落王家「ハイヤーム家」の王子として生まれます。
  メヒテの予言のために領土が海中に没し、民も家臣も失った父親を支えて生きる健気な主人公です。

【難易度選択】
 初級・上級・達人の3コースがあります。難易度が上がると、タイムリミットの“大破滅の日”までの残り日数が少なくなるなど、クリア条件がいくらか厳しくなってきます。
 どの難易度でもストーリーやイベントは同じですので、初級コースでもゲームは充分に楽しめます。ただ、サバッシュ2のエンディングでは「プートスの成績表」という、プレイの達成度を採点した評定が表示されることになっていて、そこには選択したコース名も明記されます。そのため、やり込み型のプレイヤーにとっては、「達人コースでの好成績クリア」が最終目標になるわけです。
 難易度は、降誕の儀式の《星の選択の間》で、どの星を選んだかによって決まります。

 ●幼き星:初級コース。大破滅の38日前からスタート。

 ●今、輝く星:上級コース。大破滅の30日前からスタート。スタミナ消費量が初級コースより3増加。

 ●燃え尽きる星:達人コース。大破滅の22日前からスタート。スタミナ消費量が初級コースより7増加。


■ #2 ミニゲームでキャラメイク ■
 マジョーンが生まれると、その翌日から成人するまでの間に7回、「カフタン」と呼ばれる成長の儀式を受けることになります。
 儀式と言うと重々しいですが、要は7種類のミニゲームです。宝箱を選ぶだけで終わる簡単なもの、計算力を試すクイズ的なもの、操作に慣れを要するアクション的なものなどなど。このカフタンのクリア成績に応じて、マジョーンの初期基本パラメータ(能力値)の高低が決まります。
 パラメータは冒険スタート後にも伸ばせますので、低い成績でもゲーム進行に大きな影響はありませんが、高成績であればあるほど、前項でも登場した「プートスの成績表」の点数が上がります。やり直しは無制限ですので、高評価を目指す人は存分にやり込んでください!
 なお、最初の「誕生のカフタン」だけは、失敗するとマジョーンが死んでしまいます(もちろんやり直せますが)。大多数の人が一度は臨終を迎えるでしょうが、こんなに理不尽なイベントは全編通してこの一回だけですので、どうか挫折しないでくださいね(汗)。

 カフタンが終わると、旅のスタート地点、《ボージェント》の町へ移動します。
 ちなみに、カフタン終了直後のセーブデータを取っておけば、その成績を他の主人公や難易度でのプレイ時に再利用できます。好成績でクリアできた人、何度もやり直したくない人にはオススメです!


■ #3 パルの人々と話そう ■
 冒険の舞台となるパルチャップの世界は12の大海からなり、大きく二つに分かれています。

 ●西パルチャップ:マラメイヤ海/ファルガナ海/マロス海/ホーク海/アルフール海/ネルブ海
 ●東パルチャップ:西ドルゲスト海/ゲビル海/シドン海/東ドルゲスト海/ゴルド海/サリフラ海

 スタート地点の《ボージェント》の町は、西パルチャップのファルガナ海にあります。この町のどこかに、マジョーンと共に戦ってくれる4人の仲間が潜んでいて、彼らと合流することが最初の目的となります。

 ボージェントをはじめとするパルチャップの町や村には多くの人々が暮らしていて、彼らとの会話によってストーリーは進んでいきます。
 『サバッシュ2』におけるNPCとの会話は、通常のゲームとは異なります。NPCが一方的に話すだけではなく、マジョーン側からも「トークコマンド」という追加アクションを起こせるのです。
 人間相手のトークコマンドは、「お願い」「チップをやる」「おどす」の3種類。酒場にいる場合は「酒を買っておごる」ことも可能です。適切な対象に適切なコマンドを使うと、通常会話では得られない情報やアイテムが貰える、新しいイベントフラグが立つなどの効果があります。2回、3回と繰り返したり、時期を変えて再度使ったりすれば、さらに会話が進展することも!
 NPCとの会話&トークコマンドの活用は、イベントクリアや謎解きの基本です。町に立ち寄るたび、全員に1回ずつ話しかけるくらいの気構えで、積極的に使ってください!

 また、パルの随所にはさまざまな神々の石像(神像)があり、トークコマンドの「ユースアイテム」で供物(最も一般的なものは【イドラ】という鳥のミイラ)を捧げると、像を介して神の声を聞くことができます。
 神像との会話では、アイテムや現金の入手、パラメータ類の上昇/下降、その他特殊効果の発生など、人間相手の会話よりも多種多様な結果が返ってきます。
 ボージェントでの仲間捜しイベントは、神像にイドラを捧げる場面も出てくるなど、トークコマンドのチュートリアルも兼ねています。全てのコマンドを活用し、サバッシュ2のシステムに慣れておきましょう。


■ #4 仲間と霊船を集めよう ■
 ボージェントの人々と会話を重ねるうちに、4人の仲間とは自然に合流できていると思います。
 仲間として雇えるのは、「ルーティ族」「ビリンチ族」「グレッシ族」「エキスデン族」の4種族。各種族から一人ずつ+マジョーンの合計5人が、今後のパーティーメンバーとなります。

 そして次なる目的は、マジョーンや仲間の分身となる「霊船(ジャンゲミ)」を入手すること。
 霊船とは、乗り手の能力に応じて成長する、「魂を持った船」のことです。パルチャップはメヒテの予言のせいで陸地の大半が水没しているため、移動手段は船がメインなのです。
 最初に入手できる小船ではフィールドの浅瀬しか移動できませんが、この小船でボージェント北の《ジャダ湖》に行くと、マジョーン用の霊船「マジョーン艦」が手に入ります(マジョーン艦の入手前後には何回かの海戦と陸戦があり、戦闘のシステムを学べるようになっています)。
 マジョーン艦に乗り換えると、沖も航行できるようになり、仲間用の霊船を探しに行けます。また、マジョーン艦の艦内マップで、仲間達がパルチャップのさまざまな知識(=今後のゲームの進め方や、各種システムのチュートリアル)を教えてくれるようになります。
 仲間になる種族と、その霊船の特徴はこんな感じです。↓

 ●ルーティ族/霊船「ルーティ艦」に乗船
  水色の髪の男性。テクニカルな戦士兼参謀役。巧みな操舵技術で激流や滝も乗り越えられる。

 ●ビリンチ族/霊船「ビリンチ艇」に乗船
  銀髪の男性。素早さに長けた盗賊。移動やワープの効果をもたらす魔法“ヘジラ”が使える。

 ●グレッシ族/霊船「グレッシ艦」に乗船
  スキンヘッドの男性。力自慢の屈強な戦士。壁や氷などの障害物を壊して進める。

 ●エキスデン族/霊船「グゼム艦」に乗船
  赤い髪の女性。魔法使い。スタミナを代償にして回復や攻撃などを行う魔法が使える。

 仲間達は、「ウゼルグゼム」と呼ばれる種族固有の特殊能力(ルーティなら操舵技術、ビリンチなら“ヘジラ”等々)で、マジョーンの冒険をサポートしてくれます。
 仲間がウゼルグゼムを使えるようになる条件は、パーティーがウゼルグゼムに関する知識=「マーリファ」を学んでいることと、仲間の能力値がそのウゼルグゼムを実践できる値に達していることです(一部例外あり)。ウゼルグゼムを使わないと攻略できないイベントもありますので、高い能力値の仲間を雇うなどして、早めにマスターするよう心がけましょう。

 5隻の霊船を揃え、さまざまなウゼルグゼムを修得すれば、世界中を自由に移動できるようになります。
 特にルーティ艦のウゼルグゼム“滝下り”は、初期の行動範囲である西パルチャップから、東パルチャップへ進出するための必須ウゼルグゼムです。最優先でマスターしましょう!


■ #5 スタミナなくして勝利なし ■
 ゲームをクリアするために必要なものはいろいろありますが、何にも増して大切なのは「スタミナ」
 スタミナとは一日の行動ポイントのようなもので、町、神殿、洞窟、敵国など、フィールド以外の場所に入る時に必ず一定量が消費されます。使い切ってしまったら、休息を取る(=就寝してゲーム内の日数を一日進める)ことで、上限値と同じ値まで回復します
 ただし、あまりに無駄に日を進めると、タイムリミットの“大破滅の日”を迎え、ゲームオーバーになってしまいます。また、クリアまでにかかった日数が短いほど、「プートスの成績表」の評定は上がります。
 そのため、スタミナの上限値を早い段階で伸ばし、一日あたりのスタミナ量を増やすことが、クリア日数を短縮する最重要ポイントとなるわけです。

 スタミナ上限値を伸ばす主な手段は、アイテム【メセラの結晶】。これを入手すると、1個につき上限値が4上昇し、最大400まで成長させることができます。
 メセラの結晶は、町のショップで購入する、NPCから貰う、フィールド等で拾うなどの方法で手に入ります。最も簡単なのはショップ購入ですが、基本的に一ショップ1個しか在庫がない上、売値もわりと高いのが悩ましいところ。
 序盤から買い漁るのは少々大変ですが、多く集めるほどゲームは有利になりますので、早めの購入をオススメします。2回目以降のプレイに備え、結晶が買えたり拾えたりする場所をメモしておくと便利です。

 メセラの結晶を使う以外にも、神像効果やイベント効果で、スタミナ上限が上がったり、当日限りの一時的なスタミナが加算されたりすることもあります。
 当日限りのスタミナを増やす代表的なイベントは、特定の町の宿屋で休息を取ること、腕の良いコックを雇うこと、世界に3人いる「メセラ屋」というNPCに頼むこと。いずれも効果が高いものは東パルチャップにありますので、東パルチャップにはなるべく早めに進出しましょう!


■ #6 敵国を解放せよ! ■
 パルチャップにはいくつもの国家がありますが、その多くはメヒテを王とする「ゴルド連邦帝国」の属国になっているか、ゴルド連邦と協力関係にある状態です。
 ゴルド連邦の総司令部は、東パルチャップのゴルド海の内海エリアにあり、《勇者の門》という巨大な水門で外海と隔てられています。内海エリアは総司令部のほかにも、メインストーリーに関わる重要施設が多く、《勇者の門》を開けてここに踏み込むことが、ゲーム中盤での最大目標となります。

 門を開ける唯一の方法が、【勇者の鍵】というアイテムを集めること。
 “鍵”という名前ではありますが、錠前に差し込んで使うのではなく、一定量以上の個数と重量を集めて秤に載せることで開門装置を起動できる、という代物です。
 勇者の鍵は、ゴルド連邦の属国や協力国が保有しています。敵国は36ヶ国あり、その国力は1から8までの「帝国クラス」で表され、数字が小さいほど高レベルの敵が出現します。敵艦隊を退け、最後に待ち受ける総司令官を倒すと、その国はゴルド連邦の支配から解放され、勇者の鍵が手に入ります。
 鍵の重量は敵国の強さに比例しています。すべての国家を解放しなくても、開門に必要な鍵は充分集まりますので、どの国をどんな順序で解放していくかはプレイヤーの自由です。

 もうひとつ、メヒテを神と崇める狂信者集団「レサ神団」も、ゴルド連邦と並ぶ手強い敵です。
 レサ神団はパルチャップ各地の町に団員や密告者を忍ばせ、メヒテに仇なす勢力を弾圧したり、マジョーンの命を狙ってきたりします。また、いくつかの海には基地と巡視海域を設けていて、マジョーン艦がその海域に入ると高確率で襲撃してきます。
 襲撃は、その巡視海域を管轄している基地を壊滅させると止めることができ、さらに勇者の鍵も手に入ります。ゴルド連邦国家の解放とあわせ、こちらも攻略していきましょう。


■ #7 交易で一攫千金 ■
 『サバッシュ2』は、一般的なRPGと異なり、フィールドでの戦闘は基本的に発生しません。レサ神団の巡視海域など、一部エリアでは敵とのエンカウントがありますが、得られる経験値やお金はごくわずか。
 このゲーム、「殺し合いで得られるものは少ない」というコンセプトのため、イベント以外の戦闘では実入りがないシステムを取っているのです。その代わり、NPCとの会話、イベントクリア、敵国解放など、ほぼ全ての行動で経験値が加算されますので、戦闘に明け暮れなくてもレベルは自然と上がっていきます(極端な話、フィールドから町マップに移動するだけでも経験値が入ります)。
 ただしお金に関しては、会話や敵国解放だけでは多くは得られません。そこで主な収入源となるのが、霊船で世界中を巡り、天然香料、海産物、貴石などの交易品を仕入れて売却する「交易システム」です。

 交易を始めるには、世界に3ヶ所あるフェイトリア(交易所)のひとつ、マロス海の《ヒッパロスフェイトリア》で交易ギルドに加入する必要があります。ギルド会員になり、交易品に関する知識(交易マーリファ)を学ぶと、世界各地にある「採集地」で、さまざまな交易品を採集できるようになります。
 採集地は全部で54ヶ所ありますが、交易商の間で有名な(=ワールドマップに載っている)場所はごく一部。大半は誰も開拓していない(=マップに載っていない)「未発見採集地」です。未発見採集地を見つけると、交易商としての経験値(交易EXP)が加算されてランクが上がり、交易品を多く採集できるようになります。有名な採集地でも交易品は得られますが、未発見採集地も積極的に探していきましょう。
 交易品は採集地で採集するほか、産地で買い付ける、物々交換をするなどの方法で仕入れることができ、フェイトリア内の「仲買所」で買い取ってもらえます。どの交易品が高く売れるかはフェイトリアごとに異なりますので、それぞれの需要に応じた交易品を持ち込むことが収入アップのポイントです。
 なお、交易品の中には、なかなか入手できない「幻の交易品」と呼ばれるものがあります。これらは初回入手時に交易EXPが大幅に加算される上、かなりの高値で売却できます。
 『サバッシュ2』において、お金稼ぎはゲームクリアの必須要素ではありません。ただ、お金に余裕があれば、装備品や成長アイテムを買う、パラメータの高い仲間を雇うなどして、ゲームを有利に進められます。
 交易は、海洋冒険RPGという世界観にマッチした、サバ2ならではのお金稼ぎシステムです。最高ランクの「ギルドマスター」まで極めればさまざまな特典もありますので、大航海時代さながらの交易商を目指すのも、サバ2の楽しみ方のひとつです!


■ #8 世界中の謎を解こう! ■
 パルチャップでは至る所でイベントが発生しますが、ゲームクリアに関わるものはヒントが豊富に用意されていて、行き詰まることは少なくなっています。
 ただし、それ以外のサブイベントに関しては、イベントの存在自体を見つけられるか、見つけたとしても謎が解けるか、そのあたりの難易度はピンキリです。ごく簡単なものもあれば、「クリアできるものならやってみろ」的な高い難易度のものもあり、プレイヤーの努力と工夫が大いに要求されます。
 この「謎解きの手応え」&「謎が解けた時の達成感」は、『サバッシュ2』の醍醐味でもあり、多くのプレイヤーが夢中になりました。ここではイベントを解くための基本テクニックを紹介しますので、数々の謎に挑みたい方、「プートスの成績表」で好成績を残したい方は、ぜひ活用&応用してください!

【マップをくまなく動き回ろう!】
 『サバッシュ2』の謎解きにおける、基本中の基本です。
 採集地や洞窟の入口、落ちているアイテム等々、マップ上には無数のイベントトリガーがありますが、目印は一切ありません。それらは海や地面といった通常のマップタイルで表され、マジョーン達がタイルに直接触れない限り、イベントは発生しないのです。小さな島から海の果てまで、隅々まで動き回りましょう!
 また、採集地や洞窟内で行き止まりになっている場所があっても、画面の向こうに通路などが見えるなら要注意。壁をすり抜けたり、別のイベントを起こしたりすれば、向こう側に行ける可能性が高いです。

【いろいろな道具を活用しよう!】
 陸地の移動中にスペースキーを押すと、マジョーンが手に持っている道具を使うことができます。
 たとえば、銃を持ってスペースキーで発砲すると、何かの合図になったり、気の弱いNPCを驚かせたり、弾が思わぬ場所に当たってイベントが起こったりします。いろいろな道具と場所で試してみてください。
 《アルキリオン》の町で購入できる“お気に入りの服”も、謎解きの必須アイテムです。【ナイト・ドレス】で女装したり、【原住民腰ミノ】で先住民を装ったりすると、NPCの対応が変わってイベントが進展することがあります。手詰まりになった時は、服を着替えてみるのもひとつの手です。

【町には何度も足を運ぼう!】
 NPCは基本的に、ほぼ全員が何らかのイベントを持っています。ちょっとしたお金やアイテムが貰えることもあれば、大きなイベントに関わる重要な情報を隠し持っていたりすることもあります。
 会話やトークコマンドを一通り試しても反応がないなら、「2度目に訪れた時」「あるイベントを解いた後」というトリガーなのかも知れません。中には「特定のマジョーンでのプレイ時にのみイベントが発生する」というNPCもいます。焦らず、繰り返しチャレンジしてみましょう。

【休日はイベントの宝庫!】
 パルチャップでは4日に一度、「キファールの日」という休日が巡ってきます。一部のショップや施設は休みになりますが、代わりに町中やフェイトリアの酒場は、平日よりもNPCが増えて賑わいます。
 休日にしか現れないNPCのイベントは、休日に解くしかありません。また、休日限定のNPCから得られる情報によって、平日には解けなかったイベントが進展することもあります。
 さらに、NPCの中には、平日と休日で居場所が異なる人物もいます。このような場合、「どこかに行けば会えるかな。他の場所を探してみよう」と思うことも大切ですが、「いつもの場所に誰もいないとすれば、今ならあの場所の内部を調べられるな」というように、応用を利かせて考えることはもっと大切です!
 ひとつの断片的な情報からでも、さまざまな可能性を連想していけば、正解は見えてきます。想像を働かせすぎて的が外れる時もありますが(苦笑)、諦めずにトライしてください! 健闘を祈ります!


■ #9 奥深いストーリーを味わおう ■
 『サバッシュ2』ファンの方々は、どちらかと言うと自由度や謎解きなどのシステム面に惚れ込んだケースが多いようですが、水無月はシステムもさることながら、ストーリーにものすごい衝撃を受けました。
 数々のイベントを介して描かれる、人間の心の機微、そして奥深いドラマ。それらの中には、私達プレイヤーが暮らす現実世界にも通じる、たくさんの倫理的、道徳的メッセージがこめられていました。
 長文の上、少々ネタバレも含みますが、よろしければご一読を。↓

【民衆に歓迎されない主人公】
 生神メヒテの信者達は、「予言を妨げる逆賊」である勇者マジョーンを葬ろうと、事あるごとにマジョーン達に襲いかかってきます。民衆にとって、マジョーンが自分達の町を訪れることは、町に争いを持ち込まれることと同義なのです。民衆は巻き添えを食いたくない一心で、マジョーン達を冷たくあしらい、町から追い出そうとし、あるいは敵に売り渡そうとすることさえあります。
 (正直、最初の《ボージェント》からしてこの雰囲気ですので、プレイヤーは面食らうと思います。)

 ですがマジョーンは、どんなに迫害されても民衆の側に立ち、大破滅から民衆を守ろうとします。民衆はメヒテが引き起こした戦争の犠牲者であり、真の敵はメヒテのみだと考えていたからです。
 マジョーンは数々のイベントの中で、時には彼の身を案ずる仲間の反対に遭いながらも、民衆に手をさしのべ続けます。その真摯な姿勢は、民衆のすさんだ心を徐々に癒し、民衆は「彼なら本当に世界を救ってくれるかも知れない」と、マジョーンに最後の希望を託すようになっていきます。

【悩み続ける主人公】
 敵の手から民衆を守り、感謝や賞賛を受ける一方で、マジョーンはしばしば悩みます。
 レサ神団の団員も、ゴルド連邦の軍人も、マジョーンと同じ人間です。中には戦いを望まず、祖国の命令で仕方なく銃を手に取っている人々もいます。敵とは言え人間を殺め、己の手が血に染まるたび、マジョーンは「俺が貫こうとしている正義は、本当に“正義”なのか?」と自問するのです。

 ゲーム中盤、生神メヒテはマジョーンに言い放ちます。
 「汝の申す自称正義など、余の大義の前に砕け散るであろう!」、と。
 この「自称正義」、また「正義とは何か」という難しい問いは、『サバッシュ2』のストーリーの中核です。メヒテはマジョーンの正義を「自称正義」と嘲りますが、かく言う彼の「大義」とやらも、他者から見れば「自称正義」に過ぎないのです。
 マジョーンの正義、メヒテの正義、各民族、各国、各宗教の正義。いくつもの「自称正義」が激しくぶつかり合う中、マジョーンは「普遍的な正義」に近づきたいと悩み続け、そして少しずつ成長していきます。

【「普遍的な正義」を模索する主人公】
 人間と人間が血を流し合う、宗教戦争、民族紛争。
 そんな暴力的な世界にあって、マジョーンはあらゆる垣根を越え、人々の心に希望の光を灯そうとする道を選びます。彼と同族のデニスハルキ(海の民)のみならず、メヒテと同族のゴルド人の心にさえも。
 イベントによっては、マジョーンはゴルド人を擁護することもあります。その行動に苦言を呈するデニスハルキに対し、マジョーンは強く反論します。

 「いつまでもゴルド人といがみ合うだけでは何も解決しません! まず信じる! そこから何かが始まるような気がするのです!」

 分け隔てない愛と、絶望に屈しない勇気をもって、不毛な争いと訣別すること。それこそが、「正義とは何か」という命題に対し、マジョーンが自分なりに出したひとつの答え。
 やがてゴルド人の中には、逆賊とされるマジョーンに共感し、協力する人々も現れます。それは、マジョーンが悩みながら育んできた「自称正義」が、「普遍的な正義」として実を結んだ証なのでしょう。

【総括:等身大の人間の物語】
 『サバッシュ2』は、誰もが憧れる英雄が活躍するような、美しいヒロイックファンタジーではありません。現実世界に生きている私達に近い、等身大の人間の泥臭い物語です。
 登場人物の多くは「弱い人間」です。勇気を持てず、不条理な出来事に背を向け、自分の身辺だけ安泰ならそれでいい、という生き方を望む人々です。――私達の身にも、そんな覚えはありませんか?
 勇者であるマジョーンも、決して強い人間ではありません。ゆえに聖人君子にしかできないような、「現実から乖離した理想論」は口にしません。彼の言葉の多くは、「現実の“ままならなさ”を踏まえた上での理想論(≒私達にいくらかの勇気があれば実現可能なこと)」なのです。
 マジョーンが人々に寄り添い、「俺達は弱い生き物だけど、愛と勇気は捨てちゃいけない」と訴える時、その声は現実世界の私達にも突き刺さります。なぜなら私達は、このゲームのプレイヤーとして、マジョーンという人間がさまざまに悩み苦しみながらも、愛と勇気を支えにして立ち上がってきた過程を見ているから。だからこそ彼の言動は、ものすごい説得力を持ち、また共感を呼ぶのです。
 全てのマジョーンでプレイを終えた時、どんな本を読むよりも感動したことを覚えています。
 そう、『サバッシュ2』は、パルチャップの人々だけでなく、私達プレイヤーの心にも光を灯してくれる作品なのです。
 ――さて、こんな風に書くと、「サバ2ってお堅いゲームか?」と思われてしまいそうですが……この作品の凄いところは、お堅い部分を完全に無視しても、ゲームとして充分に成り立っている点です。
 「自称正義」のぶつかり合いによる軋轢や、マジョーンの勇気ある行動によって改心する民衆の姿などは、メインストーリーでも見ることはできますが、大半はサブイベントに付随するものです。サブストーリーにまで踏み込んでいくのは、たくさんある遊び方のうちの一つに過ぎません。
 でも、重めの物語が嫌いでなければ、ぜひストーリー重視プレイも試してください! 主人公との一体感が結構強いゲームですから、マジョーンと一緒に傷ついたり感動したりと、リアルな体験が味わえます。
 そしてその体験を噛みしめた上で、エンディングの最後に現れる、シマロン支配人ロリオンの台詞を――勇者マジョーンと、その後ろにいる私達プレイヤーに手向けられる言葉を聞いてください。現実世界でも頑張って生きていこうという勇気が、プレイヤーの心にきっと湧いてきます。


長文にもかかわらず、最後までお読みくださりありがとうございました!
一人でも多くの方が、『サバッシュ2』の世界に旅立たれることを心から願っています!